Voice
発売日
2024年5月7日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2024年6月号

今月号の読みどころ

投票率約77%、得票率は過去最高を更新する約87%。今年3月、ロシアで行なわれた大統領選挙の結果です。言うまでもなく、勝利したのは現職のウラジーミル・プーチン。われわれから見れば、ウクライナに侵略戦争を仕掛け、なおかつ強権的な手法で国家を統治している人物が、なぜこれほどの支持を受けているのか、不可思議に思えます。他方で、反政府運動家のナワリヌイ氏の死やISによるテロなど、ロシア社会に綻びが見え始めているのも事実。はたして、ロシアという不可思議な国を、私たちはどう理解すればよいのか。彼の国の行動を規定するものは何か。中西輝政氏と『諜報国家ロシア』で山本七平賞を受賞した保坂三四郎氏が「新しい独裁」を体現しているのはプーチンのロシアであると指摘するほか、日本を代表するロシア文学研究者である亀山郁夫氏はプーチンの行動原理とロシア人のメンタリティに迫ります。
特集2は「『強い野党』はなぜいない?」。いわゆる「裏金問題」以降、自民党への不信が高まっているにもかかわらず、一向に支持率が上がらずに政権交代への期待の声も聞こえてこない野党。現在の課題とあるべき姿を考えます。そのほか、ノーベル経済学賞学者でもあるスティグリッツ教授が、混沌の世界経済と日本経済の課題を論じます。
公式サイト

今月号の目次

特集1:不思議の国・ロシア
防諜国家が生んだ「新しい独裁」
中西輝政 保坂三四郎
34p
大統領選とテロが示すプーチン体制の変容
佐々木正明
48p
ロシア社会を動かす空気と歴史観
池田嘉郎
56p
「三年目の戦争」の終わらせ方
千々和泰明
66p
北方領土交渉に見る「プーチン流外交」
鈴木美勝
74p
ドイツの「ロシア観」の深層に迫る
マライ・メントライン
82p
プーチンの行動原理、ロシア人の精神性
亀山郁夫
90p
戦争と暴力の本質は変わらない
小谷 賢&小泉 悠&先崎彰容
102p
特集2:「強い野党」はなぜいない?
低支持率・つぶし合いからの脱却へ
境家史郎
134p
複雑化する有権者と野党の課題
秦 正樹
142p
多様性を生み出すための選挙制度
小林良彰
150p
「野党共闘」は国民のためになるか
藤田文武
158p
巻頭企画
世界経済に襲い掛かる「真の脅威」
ジョセフ・E・スティグリッツ
18p
特別寄稿
台湾新政権・頼清徳の研究
小笠原欣幸
114p
特別対談
少子化対策に「魔法の杖」は存在しない
筒井淳也&小倉將信
202p
連載ほか
「意識高い系企業」が覆い隠すもの
カール・ローズ
126p
日本語を大切に歌う
藤原正彦&由紀さおり
166p
「中国嫌い」のための中国史〈9〉
科挙
安田峰俊
184p
日本史は「敗者」に学べ〈5〉
明智光秀
呉座勇一
192p
宗教と現代世界研究会
バチカン外交の影響力と役割
松本佐保
220p
日本の教育に「夢」と「志」を
高橋 玄
212p
令和の事業家
AIを活用して健全な民主主義社会へ
ジュリアン・ブロディ
230p
著者に聞く
地方と自分のアンテナを大切に
堤 未果
234p
新連載 書店員から見た世界
「人文書」は時を超える
東二町順也
238p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
偽情報対策は「適切」か
西田亮介
26p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
社会的制度としての建築家
藤村龍至
28p
地域から日本を動かす〈26〉
新潟発〝空の北前船〟
結城豊弘
30p
歴史家の書棚〈47〉
水沼淑子『近代日本の別荘建築』
奈良岡聰智
240p
巻頭言〈4〉
「二国家解決」をめざして
冨田浩司
15p
文明之虚説〈78〉
ヒルティの幸福論
渡辺利夫
246p
邂逅する中世と現代〈8〉
猫と近世
作・文/野口哲哉
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈6〉
深山の甘い香り
写真・文/今森光彦
8p
令和の撫子〈61〉
上野愛咲美 
撮影/吉田和本
11p
Voiceブックス
編集者の読書日記

242p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

243p
Voiceレター
読者の感想&意見

244p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。